映画を観てきました。
「剣岳 点の記」です。明治40年、陸軍測量部が標準点を設置するために未踏の剣岳に挑むという物語です。剣岳の様々な表情が美しく厳しくスクリーンから迫り、あたかも目の前の険しい岩峰を仰ぎ見るようで、感動しました。
また、映画に挿入されている音楽が素晴らしく、選曲された木村監督、指揮、監修された池辺晋一郎さんに拍手!登頂時のヘンデルの
サラバンド、圧倒的な迫力でした。まるで自分が山を歩いているような気持で映画を見終えると、どーと疲れが出たような気持になりました。
実は剣岳には大変な思い出があるのです。9年前、家族で剣岳に登り、下山の際、一服剣で岩に荷物を置いて休憩を取っていた時、ザックが転げだし、谷底まで落ちてしまったのです。そのリュックの中には、登山用具の他に、財布、免許証、車のキーなど貴重品をすべて入れていました。山岳救助隊の方々が懸命に探してくれましたが見つからず、途方に暮れていた私たち家族に、「落ちたのが荷物で良かった」と、親切にも宿を提供していただいたり、いろいろと励ましていただいた剣沢小屋の佐伯さんご夫妻、土地の方々の親切は、今思い出しても胸が熱くなり、大変感謝しています。 あれからずっと我が家のリビングにはあの日の剣岳の写真が掛けてあります。あの岩峰に会いに、また登りたくなりました。