私の住んでいる隣りの多井畑集落には「カネタタキ」という神事が伝承されています。数百年前からその年の豊作、安泰を願って行われている伝承神事です。旧暦の8月13日、新暦では10月4日の夜に行われます。今では、神戸市の無形民俗文化財に指定されています。
絣の着物を着て手拭いを頭に巻いた子供達が白足袋、草履を履いて行進します。多井畑厄神の社務所を出発した子供達は、当屋と呼ばれるその年の当番の家に向かいます。そこで長い竿の先に付けられた行燈を振りながらその家の安泰を歌い上げ、行燈を先頭に太鼓や鐘を叩き、歌いながら厄神まで行進します。
その歩き方や歌い方にも古くからのしきたりがあり、子供達は1週間前から夜に練習に通います。私の孫娘もこの行事に参加させてもらい練習に通っていました。本来は多井畑集落の子供が対象だったのでしょうが、少子化などで子供が少なくて、近隣の氏子以外の子供も参加するようになったのです。
このような伝承行事を続けてゆくのは大変です。地区の役員さん達は、子供たちの着物や草履の準備も大変です。身長も足の大きさもバラバラです。また、夜の練習の際のお茶やお菓子、歌や行進の指導などもやんちゃ盛りの子供相手ですから忍耐が要ります。
昨日の本番では約100人位の子供達の行進で盛り上がりました。子供達は練習した通り粛々と進みましたが、付き添いの親たちは何とか近づいて写真に撮りたいと、列に割り込んだり行列の邪魔をしそうな方がいたのは残念でした。
神事が終わって解散する時には、子供達は沢山お土産を貰ってきました。これだけ気を付けて準備をしていただいた地区の役員さん、氏子の方々には本当に有難うございました。子供達も伝統の大切さを実感したと思います。これからも長らくこの神事が続いてゆきますように願っています。

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