私の住んでいる近くの多井畑集落には昔からの伝統行事があります。旧暦8月13日の夜に氏子の子供達からなる行列が、行燈を先頭に鐘を叩きながら村中を練り歩きます。昨日この「カネタタキ」と言われる行事が行われました。動画はこちらをご覧ください。
集落の知人からの案内で、私もその行列を見に行ってきました。昔は氏子の子供たちの行事だったのですが、ご多分に漏れず少子化で村の子供が少なくなり、近年は近くの団地の子供達も参加することが出来るようになりました。
午後7時過ぎに神社で絣の着物を着て当屋に集まります。子供達はまず当屋の庭に長さ4メートルほどの行燈を立てて、「こちらの館はめでたい館」と歌いながら庭を3周し、その後村中を練り歩き、神社まで行進します。その際カネの叩き方、足の運び方、歌は昔から決められたものがあり、それを覚えるだけでも大変です。参加者は事前に1週間ほど夜に練習があります。
孫にも参加してほしいのですが、本人の気持ちと練習に参加する忍耐力があるかどうか、じっじとばあばの気持ちより大事なものがあります。
子供達は約50名くらいですが、両親がスマホをもって後を追うのでその倍以上になります。また村の氏子達、選挙目当ての議員や知事が来て大変な人数でした。神社の長い階段を上がり、拝殿の前まで進みカネと太鼓で行燈を奉納します。
この行事の発祥は江戸末期には行われていたという記録が残っています。それ以来多井畑集落の氏子の方たちが絶えることなく続けてこられたのです。このような伝統行事はいったん途絶えてしまうと復活するのが難しいものです。形を少しずつ変えながらも続けてゆくことが大切です。
昨日は貴重な行事を見ることが出来、伝統の重みを感じた夜でした。